ゲームプランナーの回顧録6
○チーム崩壊の危機
増員から2ヶ月ほど経った頃、上層部からお叱りを受けることになった。クオリティが保てなくなってきたため、クライアントからお怒りを受けたのであろう。上の人たちもそれによってこのプロジェクトの問題性に気づくことなった。
上の人が入って最初にしたことはこのゲームのテーマを決めることだった。購買層が好きな要素は何か、デザインの見本は何か。オフィスにゲームの世界地図を張り、他の作品からイメージに近い画像を各地方ごとに貼り付けていった。これは非常に分かりやすかった。
デザイナーの作業基準はこれによって相当よくなった。また、インターフェースデザインなどの少しセンスの必要な作業には他チームから協力してもらい、それによってグンと見た目は良くなった。
企画に関してはずっと揉めていたが、とりあえず上の人に現状の場を収めてもらい事なきを得た。だが根本的な解決には至らなかった。私自身の統率力も足りなかったし、この頃になってもまだ何も状況を変える手段をつかめていなかった。
そうこうしているうちに上司がとうとう倒れてしまったのだった……。